シフクノジカン 細田佳央太 × 〈うなぎ 徳〉の名物お櫃うなぎ茶漬け<特上>
自分のモチベーションを上げるためにも“ご褒美”は大事だという細田さん。大好きなご飯を食べている時に一番至福を感じるのだそう。

――このお店は、ふわっとした食感の関東風に蒸し上げたうなぎをはじめ、うなぎの本場浜松の老舗が提案する新スタイルのうなぎ専門店です。まず、お店の雰囲気はいかがでしたか?
すごく落ち着きましたね。うなぎ屋さんと聞いて、なぜか勝手に座敷のイメージがありましたが、そういうわけでもなく、渋谷で食べるうなぎ屋さんというところの“綺麗さ”みたいなものも大事にしつつ、店内には枯山水のような和の要素もあって、素敵だなと思いました。中でも個人的に一番素敵だなと思ったのは、職人さんが料理されているところを見られることですね。僕はお店の雰囲気としてすごく良いなと思いました。
――手間ひまかかるうなぎ料理だからこそ、出てくる過程が見られるのは貴重ですよね。
僕のイメージですが、うなぎ屋さんて厨房と食べる席が完全に別々になっていて、料理をしているところを見られることってないなと思うので、ああやって時間をかけて作ってくださっているのを見られると、その待っている間すらも楽しめるなと、素敵だなと個人的に感じました。

――今回のお料理が、「名物お櫃うなぎ茶漬け<特上>」ということで、実際食べてみた感想はいかがですか?
うなぎは普段食べるようなものじゃないというか、贅沢な料理じゃないですか。月1ペースで食べるようなものでもないし、特別な日に食べる料理だと思っていて。うなぎというと、タレがたっぷりかかっていてその下にご飯があって、結構ずっしり重い印象があったのですが、今回食べた料理はとても軽くて、パクパク食べられました。
――うなぎ茶漬けが名物だそうです。
食べ方がひつまぶしと同じで、最初はそのまま食べて、次に薬味も一緒に、そして最後にお茶漬けにするという流れでしたが、うなぎの焼き方が関東風でふわっとした食感というのと、タレも甘過ぎないというところが、より食べやすくなっているのかなと思いました。僕実は、この撮影の前に牛丼食べちゃって、結構お腹いっぱいの状態だったんです(笑)。でも普通に美味しく食べられたし、うなぎのタレ特有のイメージのあるギトギト感も感じず、最後にお茶漬けでさっぱり仕上げられたのでペロリでした(笑)。
――では企画のテーマでもある“ご褒美”についてお伺いします。「いつも頑張っている自分へのご褒美」ということで、細田さんが自分にご褒美をあげたいと思うのは、どんな時ですか?
やはり一つの作品が終わった後が多いですかね。長期の撮影だったら途中でということはありますが、1ヵ月から3ヵ月くらいの撮影なら完全にクランクアップしてから、「楽しみにしていたこれをやろう!」ということが多いです。撮影が終わりに向かっていく時に、モチベーションを上げるためにというか。
――ちなみに、細田さんにとっての“ご褒美ご飯”はありますか?
お寿司です!中でもとにかくえんがわが一番好きですね。マグロとかはそこまで好きじゃないんです。あの主役感出している感じが、あまり好きじゃなくて(笑)。えんがわは、初手から自分が主役じゃないところが好きで(笑)。と言いながら、実は母が一番好きなネタがえんがわで、その影響を受けたというのはあります。でも大葉が美味しいと思うようになってから、自分でもえんがわが好きだなと思うようになりました。大人ぶりたかったんですよね、きっと。コーヒーも「ブラックで飲むのがカッコいい」と小さい頃から思っていたので、美味しいと思わなくても飲んだりしていました。本当は甘くて良いのに(笑)…そういうところがあるのだと思います。だからお寿司もサーモンや中トロ、エビ天も食べるし、寿司以外でもカフェなどで“季節限定”と出ている飲み物も飲みます。ミーハーなので(笑)。
――“ご褒美”をあげるとして、“食”以外なら、ご自分にどんな“ご褒美”をあげますか?
趣味など自分が好きなことに全部時間を注ぐことですかね。日帰りで、地方まで野球を見に行ったりもします。ただ、夜の試合は新幹線の時間と試合の終わり時間がなかなかかみ合わないので結局、途中で出て帰らなきゃいけませんが、それでも見に行きたいんですよね。もともとバスケをやっていたのでバスケはもちろん好きですが、前回のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)をきっかけに野球を見始めるようになって、推しチームができてからはやはりスタジアムで見るのがすごく特別なので、それが楽しいんですよ。あとはライブを見に行くことですね。基本的にJ-POPが好きなのですが、幅広くというよりかは狭く、深く、好きなアーティストを追いかける感じです。一人カラオケも好きで、ちょっとこだわりがあるのですが、自分の中でセトリを決めたいんです。その日、その日のセトリを決めていて、一回歌った曲は、もう一回歌わないという…。好きだといきたくなっちゃうのですが、そこはあえて抑えて(笑)。あとアーティストも区切っていて、一つのアーティストを歌い続けて、次のアーティストにいくみたいな、一曲一曲別のアーティストを歌う、ということはしないんです。すごくこだわりがあるので、複数人で行くのは向かないですね(笑)。
――実際に自分に“ご褒美”をあげた過去のエピソードなどがありましたら、教えてください。
野球やライブを見に行ったり、カラオケで歌ったりという“プチご褒美”をしているので、大きな買い物をしたとか、どこかに旅行に行ったとかは特にないですね。僕、買い物は“ご褒美”というより、必要になったからするという感覚でしていて。安くない買い物となると、やはり慎重になってしまって、「これを年数割りした時に、年間いくら払っている。じゃあこれ買ってもいいか」という考え方なんです。それよりも、自分の好きな趣味で時間を作って楽しむ方が、“ご褒美”になるのかなと思います。
ヒカリエのレストランは初めてだったので、これからはプライベートでも利用します!
――こちらのインタビューですが、渋谷ヒカリエと渋谷、カルチャーにまつわる情報を届ける「HikarieTIMES」という Web マガジンに掲載予定です。なのでヒカリエに関することもお伺いしたいと思っております。細田さんは、ヒカリエでショッピング経験はありますか?
もちろんあります。やはり渋谷という都会のど真ん中にあって、色々なお店が入っている施設ですし、アクセスも良いので気軽に行けて買い物もしやすいですね。でもヒカリエでご飯を食べることはなかったので、今回こうして来られてすごくありがたいですね。ジャンルも豊富でレストランの数も結構あるので、これを機に今後利用させていただきたいなと思います。
――では近況についてもお伺いします。細田さんは4月17日から公開される映画『人はなぜラブレターを書くのか』に出演されています。同作は、2000年3月に発生した地下鉄脱線事故で亡くなった青年への想いを綴ったラブレターが「奇跡」を起こした、実話に基づく物語です。メガホンを取るのが石井裕也監督ということで、オファーがきたときの感想はどうでしたか?
嬉しかったです。大河ドラマ「どうする家康」に出させていただいてからは、取材などで「次の目標は?」と聞かれた時に、「一度ご一緒した方と、もう一回やる」ということを目標に決めていました。やはり今の自分の年齢で、これだけ素敵な監督さんとご一緒できているのって、本当に幸せなことだという自覚がありますし、特に『町田くんの世界』という作品で、「自分はこの仕事で食べていきたい」という思いが明確に決まった瞬間だったので。映画作りというものが何なのかを、一から教えてくださった石井監督には、特に感謝と恩があるので、もう一度ご一緒したい気持ちはより強かったのですが、今回お声がけしていただいて、それが叶って…すごく嬉しかったですね。
――2019年以来ということで、より力が入ったのではないですか?
そうですね、同時に怖くもありました。『町田くんの世界』の時は、ほぼ何も知らない、右も左もほぼ分からない状態だったのが、7年という時間を経て少なくない現場の数を踏ませていただきながら、本当に素敵な俳優さんやスタッフの皆さんとご一緒させていただいた上で、「じゃあ、お前はどうなったんだ?」って見られている感じはありました。プレッシャーも感じました。
――クランクインは、やはり緊張感がありましたか?
もちろん緊張はありましたが、石井監督の現場って(撮影スピードが)すごく速いんです。僕はクランクインが當真(あみ)さんとの電車内のシーンだったのですが、時間も場所もできることが限られていたので、撮影が特に速くて。もうポンポン撮っていった感じだったので、緊張が気にならないくらい現場の勢いがすごかったです。
――細田さんは、事故で亡くなられた当時高校生だった富久信介さんを演じていらっしゃいますが、進学校に通いながら日々ボクシングの練習に夢中になり、プロボクサーを目指している青年ということで、演じるうえで気を付けたことなど、どのような役作りをされたのか教えてください。
台本をいただいてから、割とすぐに監督と話す機会があったんです。そこで監督から、富久さんを演じるにあたって大切にしてほしいことは言っていただきましたが、やはり一番重きを置いたのはボクシングですね。富久さんはボクシングをされていたこともあって、撮影期間を含めて4ヵ月間ボクシングの練習期間を設けていただけたんです。その中で、ボクシング指導で入ってくださった松浦(慎一郎)さんをはじめ、妻夫木(聡)さんや菅田(将暉)さんにも、手取り足取り教えていただきながらボクシングの準備は、念入りにしました。
――準備に充実した時間が持てたんですね。
そうですね。監督ご自身ボクシングがお好きですし、そういったボクシングの撮り方などこだわりを持たれていました。実際リアルな動きをすると、割とあまり大きく見えなかったりするんです。やはり(動きが)速かったりして、カメラに合わせたボクシングの動きをしなきゃいけないシーン・瞬間はありましたが、それでも、試合のシーンなどはすごくこだわりを持って撮られていたので、その練習期間が一番役作りにとって、大きいポイントだったかなと思います。また撮影前に、富久さんのお父様に直接お話を聞く機会も設けていただけたんですね。実際、そこでお父様の息子さんに対する愛情や尊敬の思いを聞けたのも、すごく大きかったなと思います。
――富久さんのボクシングジムの先輩であり、よき理解者だった川嶋勝重を演じた菅田将暉さんとの撮影は、いかがでしたか?
劇中の関係性も良き理解者でしたが、撮影外も気にしてくださったというか、撮影前のジムでの練習でも菅田さんにお会いさせていただいて一緒に練習したり、特に練習が終わってから菅田さんがミットを持って、「ちょっとやろう」と言ってくださったりもしたので、ジムで作った関係値を現場にそのまま持っていくことができました。もちろん菅田さんのお芝居で刺激を受けたことはものすごくありますが、それ以上に関係値を構築するにあたって、劇中で出る雰囲気をどこまで考えて、それならジムで作っていこうとされたのかということの方が、僕はかなり刺激を受けましたね。自分もこうならなきゃいけないなと、たくさん勉強になりました。
――タイトルにちなんで、細田さんは実生活でラブレターを書いたことはありますか?
ないですね。書こうと思ったこともないかな…(笑)。その手段を考えたことがなくて、直接か電話かという考え方なので…。書いていて、恥ずかしくなりそうじゃないですか(笑)。ただ“手紙”というものに関しては3、4年くらい前から、伝え方として素晴らしいなと感じ始めていたのはあります。今の時代、誰でもいつでも、どこからでも文字を伝えられるじゃないですか。でも等しく同じ字体なので、何となくの状態は分かっても、その人の本当の心情やどういう状況なのかは分からないですよね。その点、手紙はその人の温度や状況が、結構しっかり出るもので、急いでいたら走り書きになるし、丁寧に書いていたら綺麗な字になるし、初めて書くのなら震えるんです。やはりそのくらい本人の状態が、嘘偽りなく手紙は出るので、書いてあるもの以上に、こちら側が受け取るものが多いのだと思います。
――スペシャルドラマ「ちるらん 新撰組鎮魂歌」についてもお伺いさせてください。このドラマでは、“鬼子”と称される新選組の若き天才剣士・沖田総司を演じられています。過去に多くの方が演じてきたキャラクターでもありますが、細田さんはどのような沖田総司を演じようと思われたのでしょうか?一番難しかった点などありましたら、教えてください。
確かに色々な方が演じられていることは理解していますが、僕は見たことがなかったんですよ。そういう意味で言うと、他の方が演じたものを真似したり、後を追うようなことはなくて、自分なりの沖田を考えられたというのはありますね。また今回は原作の漫画があったのですが、ただ漫画を実写化するということはしたくないなと。それで、漫画とこの実在した人物というところで、真ん中を目指したかったというか。より多くの人に届く、沖田総司にしたいという思いはありました。
――沖田といえばやはり“剣士”というイメージが強いのですが、アクションはいかがでしたか?
アクション練習はたくさんしましたね。沖田は特にすごくすばしっこくて、強い人物というイメージがありましたし、僕自身が剣を使ったアクションがほぼ初めてだったので、アクション部さんにすごく負担と迷惑をかけながら助けていただきました。基本的に僕は綾野剛さんとのアクションシーンがメインだったのですが、綾野さんと合同で練習するとなった時に、綾野さんにも教えていただきながらなんとかできました。
――様々な役に挑戦されている細田さんですが、役を演じるうえで気を付けていること、心がけていることなどはありますか?
ただ一生懸命やるということです。『町田くんの世界』の時に教えてもらったことではありますが、常にどの作品をやるにしても、それは一貫してやるようにはしていますし、やっているつもりです。その中で気をつけていることがあるとすれば、当然僕らは演じるキャラクターを通して、多くの方に見てもらう立場であって、実際にその職業などをやられている方がいるわけじゃないですか。その方々から見た時に、これが嘘じゃないことを伝える義務は間違いなくあるなと思っています。現在、「GIFT」という作品で車いすラグビー選手の役を演じていて、以前「ドラゴン桜」で演じたキャラクターもそうでしたが、体に少しハンデを持っているような役を演じる時も、それがちゃんと誇張しすぎず、嘘じゃないことを伝えなきゃいけないというのはマストだと思っています。その方々への尊敬の念を常に持ちながら、敬意を忘れずに演じていきたいです。

――最後、この記事をご覧になっているファンの方(日々を頑張っている方)へのメッセージをお願いします。
僕自身この2026年は勝負の年だと思っています。すでに3ヵ月が過ぎようとしていますが、出演している作品を楽しみにしていただきつつ、ちゃんと「作品を見たい」と思ってもらえるような役者になれるように、これからも頑張っていきたいと思います。絵に描いた餅にならないように、ちゃんと作品を通して伝えていきます。
細田佳央太 ほそだかなた/2001年12月12日生まれ、東京都出身。
4歳から活動を始める。以降、ドラマや映画で活躍。2019年に、1000人越えの応募者の中から抜擢され、石井裕也監督作・映画『町田くんの世界』にて主演を務めた。その後、映画『花束みたいな恋をした』『子供はわかってあげない』、ドラマ「ドラゴン桜」(TBS)、「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(NTV)、NHK大河ドラマ「どうする家康」、「95」(TX)、「七夕の国」(Disney+にて配信)、「あの子の子ども」(KTV)、NHK連続テレビ小説「あんぱん」などに出演。今後は、3月26、27日の2夜連続スペシャルドラマ「ちるらん 新撰組鎮魂歌」江戸青春篇(TBS)の放送、舞台「岸辺のアルバム」、映画『人はなぜラブレターを書くのか』(4月17日公開)、『未来』(5月8日公開)などが控えている。
■名物お櫃うなぎ茶漬け<特上> 8,030円 ※税込み価格

厳選された国産うなぎが食べられる。うなぎを1尾半使用し、背開き・蒸しが入った江戸焼きで、タレは秘伝の継ぎ足。漬物、吸物、小鉢付き。
『シフクノジカン』(Shifuku No Jikan) とは…

いつも頑張っている自分へのご褒美。
美味しいお料理を食べ、心も体もリフレッシュして頂こうという企画です。 『シフクノジカン』は個人の価値観やライフスタイルによって異なりますが、共通しているのは「心が満たされ、幸せを強く感じる瞬間」であるということ。 幸せを感じる瞬間を、著名人の方々にご自身のエピソードを交えて語って頂く連載企画です。
Photo:Hiroyuki Fujiki styling:Satoshi Yoshimoto hair & make:NOBU(HAPP’S.) text:Misaki Ito
*2026年3月現在の情報です。内容など変更になる場合がございます
*営業時間については、渋谷ヒカリエホームページでご確認ください。
最新情報はこちら